ベトナムの議長は訪問を歓迎し、2人の議長と二国間の関係強化に貢献すると話しました。
ベトナムの外交政策において、日本との関係強化は優先事項の1つであり、人々の交流だけではなく、これまで通り、政府関係者や首脳同士の定期的な交流をしていく意向を示しました。特に、2017年2月の、天皇陛下と皇后陛下による初めてのベトナム訪問と、その1か月前の安倍晋三首相による訪問は、二国間の友好関係と協力体制を進展させる機会になりました。
ガン・ティ・キム・ガン国会議長は、2018年の日本ベトナム外交関係樹立45周年の記念行事に向けた両国の活動をより活発にしていくことを提案しました。
双方は2016年の貿易額300億米ドルを、2020年までに2倍に増やすことを決断しました。日本はベトナムにとって、ODAでは最大で重要な経済パートナーとなり、3355のプロジェクトに直接投資を行っています。そのプロジェクトの価値は424億9000万米ドルと言われています。ベトナムにとって2番目の投資国となり、4番目の二国間貿易パートナーになるとガン議長は述べました。
現在、日本企業による1600以上のプロジェクトがベトナムで進められています。
議長によると、双方は、インフラとエネルギー分野で、多くの大規模プロジェクトを進めてきました。日本の支援の足跡は、道路、港、空港、病院、学校のようなインフラ施設で多く目にすることができます。
すでに完了したプロジェクトは、ベトナムの社会経済的発展や文化、観光面において、重要な役割を果たしていると、彼女は強調しました。
ベトナムは今後、日本の協力を得て、国有事業の改善と官民パートナーシップによるバンキングシステムの構築に乗り出したいとしています。
戦後の復興に対する支援に感謝しつつも、議長はビエンホア空港のダイオキシン汚染対策のため、日本に対し、返還不要のODAを供給してほしいと望んでいます。
ベトナムはさらに、ハイテクノロジー分野、産業と農業支援、特に気候変動対策における人材支援やスタッフの派遣など日本の協力を求めています。
今回ガン議長は大島理森衆議院議長に対し、各国の社会経済的発展に貢献し、ベトナムと日本の関係をより強固なものにするためにも、日本のベトナム人コミュニティでの活動を手助けするよう提案しました。
大島議長とガン議長はベトナム日本大学の創立に寄与した議員集団に感謝の意を述べました。
また、2016年には700,000人の日本人がベトナムを訪れ、200,000人のベトナム人が休暇先として日本を選びました。大島議長とガン議長は、これから先、双方の観光客はより増えるだろうと推測しています。
日本は文化とスポーツ面でベトナムと協力していきたい考えを表明し、大島議長は、近い将来ベトナムが国際大会の開催国になることを期待していると話しました。
会談では、双方が東海問題を含む地域的な問題と、世界的な問題に対しても議論を交わしました。平和、安定性、安全、防衛の維持が必要だと強調し、国際法に沿った交渉の自由と東海の上空侵犯の対策が必要だとしました。
同時に、ガン議長は国会議員の代表団を、天候変動について議論する列国議会同盟(IPU)シンポジウムに招待しました。このシンポジウムは、ベトナム大使館が主催し、ホーチミン市で5月11日から13日まで行われます。
会談に先立ち、大島議長はハノイのホーチミン廟を訪れ、献花しました。
同日遅く、ガン議長は大島議長と妻に敬意を表し、宴会を開催しました。
首相は大島議長の訪越を意義深いと評価
グエン・スアン・フック首相は、大島理森衆議院議長を温かく迎え入れ、双方の上局議会とその人々の間の長年にわたる友好関係を大変意義深いものであると評価しました。
首相は、5月4日にハノイで大島議長を迎え入れました。これは大島議長の3日間の滞在の初日でした。
二国間の政治、保安活動、経済、農業、森林問題に関して、包括的かつ実践的な結果が得られたとフック首相は強調し、相互の信頼関係と理解の強化に貢献したと話しました。
政府関係者は、ガン・ティ・キム・ガン国会議長との会談内容を評価し、若手国会議員の交流による国会議員の協力関係と国同士の関係強化に向けた新たな計画を承認しました。
首相はこれまで、ベトナムに貢献してきた日本と日本の人々、特にODAの投資による社会経済的発展と貧困の減少に対して、感謝の意を述べました。
フック首相は、国会議員の交流をより活発にし、様々な情報の交換、今後の継続的な支援、大規模なインフラ整備、人材育成、気候変動への対策に対するODAの供給を日本に依頼しました。
議長は、外交、経済、防衛と安全保障、人々の交流、特に立法機関の関係強化に向けて、徐々に協力体制を強化していくことで同意したと、会談内容を要約しました。
大島議長は双方の政府の協力体制と、投資活動をより活発化させることを望むとし、ベトナムに対する支援と貿易の円滑化、双方の財政界における投資活動、ODAの供給を約束しました。
大島議長は、ベトナムはこれまでの歴史と力で、2017年のAPEC首脳会議を成功させると信じていると述べました。
ベトナムは6.4%の安定した経済成長を楽しむ
これはASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)が5月4日に出した年次報告、「ASEAN+3 地域経済見直し」で明らかになった予測の一つです。
報告によると、ASEAN10か国と中国、日本、韓国(ASEAN+3)の経済成長は2017年には5.7パーセントを達成する見込みです。
近年の世界規模の貿易の回復は、地域的成長と輸出を促進したにも関わらず、ASEAN+3の2017年と2018年の成長率は過去3年間より5.3パーセント低くなっています。
韓国、マレーシア、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムのような新興経済国は、世界の金融市場の不安定さがあるにも関わらず、依然として伸びがあります。一方で、発展途上のカンボジア、ラオス、ミャンマーは成長を続け、地域統合によって利益を上げています。
AMROチーフエコノミストのホー・イー・コー氏は、地域の経済成長は金融財政政策の支援により国内の需要が駆り立てられることによって、続くだろうと予測しています。
コー氏は、金融政策の観点からは、2017年のインフレの進行とグローバルな金融の締め付けは、地域経済の成長のための金融政策の緩和で減少するだろうと発言ました。
そして、高与信の国や対外債務のある国は、金融政策の緩和によって経済成長を促している間に、財政の安定の維持に取り組まなければならないと指摘しました。
さらに、経常収支と財政バランスを外部金融に頼っている経済は、財政政策を拡大しようとする際に、資金調達の制約に直面するだろうとコー氏は強調しました。
彼は為替レートや外貨準備高に圧力をかけたFed利率引き上げによる、新興市場資本流出のリスクについても警告しました。
従って、コー氏は、外部の衝撃のリスクを軽減するためにも、地域政府は外国為替市場における合理的な市場介入と為替レートを維持し続けるべきだと提案しています。
「これは、現在の不明確なグローバル環境で、為政者にとって財政の安定の優先順位を決める上で堅実です。」と彼は言いました。
彼は地域政府と為政者に、構造改革政策のスピードを上げるためには、刺激的需要の評価が唯一短期間で適用できると呼びかけました。
鉄道計画の更新と新たなサービス
ベトナム鉄道総公社(VNR)のブー•アイン•ミン社長はVietnam Economic Timesに対し、資金不足がセクターの投資決定を困難にしていると伝えました。
ー人々は他の交通手段と比較して、ベトナムの鉄道の「サービスの弱さ」を非難しています。これについて、どうお考えですか。
確かに、鉄道部門への投資は、個人・法人に関わらず、投資者にとって魅力的ではない部分もあると思います。鉄道インフラの発展には莫大な投資資金が必要です。そういった理由で、他国では、鉄道インフラは政府がメインで投資を行っているのです。
国家予算が限られているため、政府は交通の投資予算についてフォーカスするべきです。交通機関に関しては、投資した分をすぐに回収することができます。例えば、10兆ドン(4億4000万米ドル)で地域の社会経済の発展に寄与する道路の建設が可能ですが、鉄道線路の建設はより高額になります。
その上、鉄道線路はそれだけでは成り立たず、他の交通機関とリンクしていなければなりません。しかし、鉄道セクターが国の経済発展において大変重要な役割を持っている以上、投資しないわけにはいかないのです。ロシア、日本、中国などの国々では近年、莫大な金額が鉄道に投資されています。例えば、中国は今、30,000kmの高速鉄道が整備されています。
さらに鉄道には、交通機関という枠を超えた多くの利点があります。速く、安全に、多くの乗客と貨物を低料金で運ぶことができるのです。
新しい道路に投資すると、輸送能力は以前の2倍になると言われています。しかし、新たな鉄道ルートを整備すると、その輸送能力は10倍になるのです。
ー国家予算以外の投資を受けるために、鉄道セクターは何をするべきですか。
今は、投資資金は主に、国家予算、他部門からの財政投資、様々な与信形態という3つからなっています。国家予算はインフラ整備に使い、他部門からの財政投資で駅や倉庫、ドライポートを作っています。様々な与信形態はメンテナンス作業や新しい貨物車や機関車の製造、古いものの改装に使われます。
人々からの投資を増やし、駅や貨物車、倉庫などを修復するために私たちは計画をより進展させています。
ー資金が不足している中で、優先すべきエリアはどこになりますか。
近い将来のため、いくつかの駅とその周辺300~400mの線路の改装にフォーカスする予定です。今、駅に収容できる電車は19席仕様とワゴンだけですが、改装後は25席仕様のものを収容できるようになります。さらに新しい駅は、24時間上下線25の電車を提供することができます。
計画では2018年の初めまでに、旧式の列車を新しくし、100台の列車を配備する予定です。今年の6月には高級列車の運行を開始します。これは2018年に4台に増える予定です。さらに、VNRは南北線の鉄道橋とトンネルの改修を行います。
ー輸送のトン数が増えた際に、連結性を高めるためのプランは何ですか。
倉庫の改装とインランドコンテナデポの発展、積荷と荷下ろし装置への投資が必要になってくるでしょう。もちろん、物流も課題です。最近ではVNRはNew Sai Gon Port Corporationとの、2つのインランドコンテナデポの建設に向けた合意にサインしました。1つはビンズオン省のソンタンに、もう1つはハノイのドンアイン県に建設予定です。
ー乗客向けの計画はありますか。
はい、列車と駅の改装と並行して、新しいチケット販売モデルを採用します。6か月先までの予約が可能になり、ディスカウントチケットも販売します。
さらに、駅から行き先までの往復無料交通機関の提供を開始する予定です。このサービスはハノイ-クアロー間、ハノイ-サパ間とその他エリアで提供予定です。
2017年のベトナムにおける個人投資の増加
調査に参加した78パーセントの人々が民間セクターとベトナムの経済に前向きな見通しがあると回答しました。これは昨年と比べると、23パーセント増加しています。
先月発表されたグラントソントン(※)の調査では、今年の未公開株への投資は経済において重要な影響を与え続けると予測されています。
調査に参加した海外企業のうちの72パーセントはベトナムで投資し続けると言っています。それは、ベトナムの豊富で優秀かつ低賃金の労働力と、中間層の消費の拡大のためです。
87パーセントが、2017年の投資活動の増加を期待するとする一方で、70%がこの先1年はセルサイドよりもバイサイドに注目するとしています。この数字は2016年から14%増加しています。
52パーセントが国有事業の株式化を期待しています。これは、政府が2020年まで事業を支援するための35/NQ-PCを発行後に最大の取引源となります。一方で、49%が外国の未公開株式資金提供に期待を寄せています。これは企業の買収・合併活動の競争源となります。98%がベトナムの未公開株セクターの牽引者を見つける機会になるだろうと信じています。
飲食産業、小売分野は、投資の魅力の点から、国の代表的な産業となっています。飲食産業では53%、小売分野では49%が「とても魅力的である」と回答しています。また人材確保の点からも確保しやすいと考えられているようです。
ヘルスケアと医薬品、運輸と物流については、38パーセントが「とても魅力的である」と回答しています。これは、「西洋のライフスタイルの影響と、可処分所得の増加」によるものであると報告されています。
オイル、ガスなどの自然資源については、37パーセントが「魅力的ではない」と回答しています。
投資家は、ビジネスにおける透明性とコーポレートガバナンスは、ベトナムで民間企業への投資を検討する際の大きな要因になると声を揃えます。
さらに、最大36パーセントの未公開株の投資家は、新規株式公開が最善の選択であると考えており、トレードセールは33%が2番目の選択肢としています。
しかし、最大で80パーセントが、2017年の経済について心配をしています。2016年の市場の不安定さと海外取引の混乱、特に中国の経済の低迷とTPP合意の結果によるものが原因です。
55パーセントの回答者は新規の資金集めには限界があり、困難であると主張しています。ベトナムの未公開株市場は新しい資金を調達する上で、おそらく困難に直面するでしょう。なぜなら、新しい資本流入の減少が、新規と小規模の資金の脅威となるからです。ベトナム国家銀行は貸付レートを一定にすることで、5%以下の目標金利によるインフレという困難に直面するでしょう。
調査はさらに、汚職、国家予算の制約、標準以下の管理規格、インフラの障害、中小企業の競争力の欠如が、ベトナムへの投資の障害になるとしています。87パーセントの回答者がこれに同意しており、加えて財政難と自然災害による農業と観光業への影響も懸念しています。
2016年、ベトナムのGDP成長率は6.21となりました。これは2015年同期の6.68と比べると、低くなっています。4年間で初めての後退であり、政府の2016年の会計年度の目標であった6.7%を達成できませんでした。
※グラントソントンベトナムは1993年に設立され、グラントソントン・インターナショナルの独立メンバー会社です。ベトナムで2番目の国際的な会計監査、課税、投資顧問業会社です。
ベトナムの工業部門における労働力不足の原因
ベトナムにおける工業部門における労働力不足の原因は、ベトナム人労働者が農村部を離れ都市部に移動していることが原因の一つとして考えられる。工業部門すなわち工場や工業団地があるのは、農村部などの郊外にあります。そこの労働力人口が減少しているとなると必然と工業部門における労働力不足の原因に結びついているといえます。
工業部門における労働力不足の議論は今に始まったことではなく、1990年代から既に議論が行われています。この私の考え方が正しいとすれば、労働者の多くは都市部に新しい職場を求めて農村部を離れていたり、大学などの進学のために農村部を離れて都市部にいき、卒業をしても都市部で働き農村部に戻ってきていないということになります。
都市部で働きたいと考える理由の一つに賃金があります。農村部、工業団地内の工場であっても大半の労働者は工員として働くことになります。そうなると最低賃金を上回るとはいえ、生活が豊かになるほどの収入は得られません。そのため、賃金が高いとされる都市部の仕事を求めるのです。なので、労働力不足と言われていますが。賃金をあげない限りはまだまだこれらからも減り続けて行くと予想されます。
TPP発効が不明確にも関わらず、工場用地は拡大
アメリカのTPP離脱により、今後の先行きが不透明にも関わらず、今年に入ってからベトナムの工場用地は拡大の一途をたどっています。
不動産コンサルタントのクッシュマン・アンド・ウェイクフィールドベトナムによると、4,700ヘクタール以上の工場用地が2017年に入ってから開発されました。これは、昨年同時期と比べて7%上昇いています。
不動産コンサルタントのアレックス・クレーン取締役は、ベトナムは投資する価値のある地域であると強調しました。「TPPの動向は関係なしに、工業部門への投資は上向きになるだろう」と述べています。
クレーン氏は統計を基に、ベトナムに対する第1四半期の直接投資(FDI)は77億米ドルとなり、その85%が製造業に費やされていると分析しました。
加えて彼は、新しい企業の増加や景気の上昇は、工場用地市場において好影響となるだろうと言いました。
ベトナムは現在、4つの自由貿易協定(FTA)を交渉中です。これはベトナムへの投資流入を増加させ、工場用地部門は確実に利益を上げることができると期待されています。
しかし、投資を促進するためには、工場区域のインフラ整備と行政改革を早急にしなければならないのです。
SbLawのグエン・ハン・ハ社長は、デベロッパーは、適正なインフラとリーズナブルな価格で借地契約をして、工場区域を建設するべきだとしています。そして政府は、部品産業の発展に注力し、交通機関の発達を寄与するべきだとしています。
2016年終わりには、91,800ヘクタールの用地に、16の経済地域と2つのハイテク区域、324の工業区域がありました。
国家副主席、モンゴルと日本訪問に向け出発
ダン・ティ・ゴック・ティン国家副主席はモンゴルの公式訪問に向け、昨日ハノイを発ちました。5月7日から10日までモンゴルに滞在し、二国間の経済、労働、教育、文化、観光の結びつき強化に向けて議論する予定です。
ティン国家副主席はモンゴルの首相と会談し、二国間の協力合意の署名に立ち会い、モンゴルの大統領と議長にも面会する予定です。
モンゴルの副大統領もベトナムとモンゴルのビジネス交流に参加し、高校の管理委員会と生徒を受け入れる予定です。
その後、5月10日から16日まで、2017世界女性サミット(GWS)(※)に参加するため、日本を訪れます。
この外遊では、日本との関係強化を目的としています。特に、経済、労働、農業分野について福岡県との関係促進を図り、二国間の地域的な協力関係を築くことで、日本のベトナムでの投資促進へ繋げたいのです。
また、天皇陛下と皇后陛下、皇太子殿下、参議院議長、日越友好議員連盟会長、女性活躍担当大臣に面会する予定です。他には東京と福岡で行われるベトナムと日本のビジネス交流に出席し、福岡ではベトナム人学生らと面会する予定です。
5月11日から15日に開催されるGWSは「ウーマノミクスを超えて:アクセシビリティを加速させる」をテーマに、女性管理職登用、女性労働者の進出、女性経営者の増加、世界経済における女性活躍推進、テクノロジー産業での女性登用、女性のための支援政策の促進について議論が行われます。
様々な分野で日本との結びつきが強い、50名ほどのベトナム人女性起業家が出席する予定です。
※世界女性サミット(GWS)は、世界62カ国1300人の経済界や政界を代表する女性リーダーが一堂に会するイベントです。このサミットでは世界のいろいろな場所で活躍する女性について語られることが多いです。
APEC SOM2がハノイで開幕
地域の様々な事案について議論する第2回APEC首脳会合と関連会合が昨日、ハノイで開幕しました。
具体的には、貿易と投資の自由化、ビジネスの円滑化、人材開発、教育、ネットワーク経済、食の安全、科学、技術と創造、鉱業、自動車製造業と都市化について議論します。
5月21日までの会議中、APECの代表者は長期的な協力プログラムの実施に向けてスピードアップすることと、主要地域での計画と大臣の承認が必要な書類のコンセンサスを得る予定です。これは11月にダナンで開催されるAPEC閣僚会議と、APEC首脳会議の基礎として位置付けられます。
2020年以降を見据えたAPECマルチステークホルダー会合, デジタル時代の人材育成に関するハイレベル政策対話、太平洋経済協力会議、財務高級実務者会合、第23回貿易担当大臣会合も開催されます。
会合初日は、鉱業、輸出、食の安全、経済における女性の役割、障害に関する会合とワークショップが開かれました。
女性の役割
初めに、女性と経済に関する政策パートナーシップ(PPWE)はグローバル経済における女性の役割について議論し、女性は21のAPEC経済の発展に対して莫大な貢献をしているということを参加者は聞きました。
ベトナム労働•傷病兵•社会省(MoLISA)のホアン・ティ・トゥー・フェン男女平等担当長官は開会挨拶で、APECメンバーの経済では約6億人の女性を雇用しており、60%以上がフォーマルセクターで働いています。そして890億米ドルほどをAPECに寄付しています。
フェン氏は2017年のPPWEの議長でもあり、APECエコノミーは女性が遭遇するであろう障壁を取り除くために動き、女性には、地域に貢献する気づかれてこなかったポテンシャルがあると言いました。
彼女はこのゴールはPPWEの努力とリーダーシップによって気付かされたものであると加えました。
会合はPPWEの2016年の結果の実情を知ることと、女性が直面している障壁を取り除くためのステップを提示することも目的にしています。
ドアン・マウ・ジエップMoLISA次官は、PPWEの過去10年間の経済界における女性の重要さを示す取り組みを評価しました。「PPWEは、官民の繋がりをより強くするため、さらにAPEC活動における女性の社会進出の主要な政策とプログラム作りに貢献しました。」と彼は言いました。
しかし、「APECの協力体制を、すべての女性にとってより有益なものにするためには、さらなる行動が必要です。すべての女性に保証します。社会的経済的成長に不必要な女性はいません。全ての女性がAPECエコノミーの発展に貢献することができるのです。」と語気を強めました。
輸出証明書
ワークショップはSOM2の枠組みの中で、輸出証明書とAPEC内の安全な食品の貿易の円滑化における役割について研究するために、昨日開催されました。
2日間のワークショップは、基準・適合性小委員会、食品安全協力フォーラム、パートナーシップ訓練機関ネットワークによって組織されました。
参加者は1日目、開発途上の基本的な評価とAPECエコノミー間の国際食品規格委員会食品輸出入検査•認証制度部会によって定められた証明による自己申告について議論しました。
さらに、輸出証明書に関するコミュニケーションとインフォメーションフローを改善するための革新的な選択肢を使うこと、APEC輸出認証書ツールボックスと可能なアップデートの提案を含む過去の成果についても議論しました。
輸出証明書の規制を考慮した際に便利なツールの情報と、規制慣行の活用、いつ輸出証明書を必要とするかを決めるためのコーデックスガイダンスの使用、要件を満たす方法、テクノロジーの適正な使用と不必要な証明書の削減について話し合われました。
障害者の権利への働きかけ
昨日のSOM2の枠組みの中にあった障害者の友の会(GoFD)の会合では、APECの代表者は障害者の権利への働きかけの取り組みについてシェアしました。
開催国として、ベトナムのドアン・マウ・ジエップMoLISA次官は、GoFDの過去数年にわたる会合の結果を称賛しました。この結果は、経済的発展における障害者の問題に対し、APECで解決策を作る基礎になると彼は話しました。
トランプ氏がAPEC参加のため11月ベトナムに訪問
これが国家レベルの公式訪問になるかは不明です。
ドナルド・トランプ大統領は、アジア外遊の一環として11月にベトナムを訪問し、3つの首脳会議に参加するつもりであると、マイク•ペンス副大統領が先週木曜日にジャカルタのASEAN本部で明らかにしました。
ロイター通信の報道によると、トランプ大統領はフィリピンで行われる米ASEAN首脳会議と東アジア首脳会議、ベトナムで行われるAPEC首脳会議に参加する意向であると、ペンス副大統領が明らかにしたようです。
ニュースワイヤは、ペンス副大統領の言葉として、トランプ陣営は保安問題、東海(南シナ海)の貿易と自由について議論する予定であるとしました。中国との火種の大半は南シナ海となっていて、ベトナムを含む東南アジア諸国とも重ねて議論する予定です。
これが公式訪問になるかどうかはまだ明らかにはなっていません。たとえトランプ氏がベトナムを訪問したとしても、「ベトナムの人々が、オバマ前大統領の訪問時のように盛り上がるかどうかはわかりません。」とワシントンD.C.の国防大学東南アジア研究機関のザカリー・アブザ氏は言いました。
アメリカのTPP早期離脱によって、トランプ氏はオバマ前大統領がサインした政策を実行できていません。オバマ前大統領は昨年5月にベトナムを3日間訪問し、熱狂的な歓迎を受けました。12か国が参加するTPPが発行されれば、世界のGDPの40%を占め、アメリカはその代表的な国の1つになるはずでした。
アメリカにとってベトナムは、東南アジア最大の輸出国で、トランプ大統領のTPP離脱はベトナム経済の停滞を招くとみられています。
昨年12月、トランプ氏はグエン・スアン・フック首相と電話で会談し、二国間の関係強化について話しました。さらに2月下旬、チャン・ダイ・クアン国家主席に対して手紙を送り、二国間協定締結への意欲を示しました。
トランプ大統領は選挙期間中、NATOなどの国際的組織を軽視する発言が目立ちました。しかし、今回のAPEC首脳会議への参加表明は必然だったようです。
「トランプ氏はAPECやASEANに対して何一つ言及したことがありませんでした。」と米戦略国際問題研究所のディレクターで東南アジア専門家のグレゴリー・ポーリング氏は、Vn Express Internationalに話しました。
「トランプ氏は大統領選中、拠出金負担の不平等さなどからNATOを批判していました。しかし、APECのようなセキュリティとは関係のない組織に対しては、一切言及していなかったのです。」とポーリング氏は発言しました。
「APEC21か国のリーダーと会う初めての機会であり、ビジネス面でこれらの国々を引き込むことができるかどうかが、この外遊で求められる最も重要な結果です。」と米戦略国際問題研究所の東南アジア専門家マレー・ハイバート氏は話しています。
「これはトランプ大統領にとって、アメリカが貿易面や投資面でいかに環太平洋地域を重要視しているかを示し、TPP離脱後の主導権を得るいい機会となるでしょう。」とハイバート氏は言いました。
アナリストによると、新陣営は東南アジアに対して全く注力してこなかったため、東南アジア地域はトランプ陣営に重要視されていないのではないかと懸念しているようです。
「フィリピンとハノイへの外遊は、これらの懸念を払拭する機会になるでしょう。」とポーリング氏は言いました。
ファム・ビン・ミン副首相が日本の首相と会談
安倍晋三総理大臣、大島理森衆議院議長、独立行政法人国際協力機構(JICA)北岡伸一理事長との階段で、ミン副首相兼外務大臣は、ベトナムと日本の戦略的パートナーシップの様々な分野での発展について、喜びをあらわにしました。
安倍首相は、アジア太平洋経済協力首脳会議へ招待されたことをうけ、チャン・ダイ・クアン国家主席に対し、感謝の意を述べました。そして、ダナンで行われる会議への準備を支援することを約束しました。
一方で大島議長は、ベトナムは日本にとって重要なパートナーであり、さらなる二国間の関係強化を望むと述べました。
JICAの北岡理事長は、ベトナムはJICAにとって最大のパートナーであり、ベトナムの経済発展に向けて最大限貢献することを誓いました。
ミン副首相は、ベトナム全土は常に、日本を長期的な戦略的パートナーであると考えており、二国間のさらなる関係強化へ向け準備ができていると断言しました。
日越協力委員会第9回会合及び日越外相会談で、両国外相は昨年1月に安倍首相が訪越した際の合意に対する具体的な措置と、グエン・スアン・フック首相の訪日の際のアジェンダについて話し合いました。
また、両外相は、両国首相による定期的な訪問をこれからも続けることにも同意しました。特に、来年の外交関係樹立45周年に向けて、協力関係を促進することにしています。
双方は6月に産業、貿易、エネルギー面での協力について話し合うVJCC会合についても開催を約束し、今年後半には日越農業協力対話第4回ハイレベル会合を実施することを確認しました。
経済協力では、日越共同イニシアティブ第6フェーズの実施のため、二国間の経済的つながりと協同を強化することで合意しました。
岸田外務大臣は政府開発援助(ODA)を通してベトナムの経済支援を続け、インフラ整備に向けたパートナーシップを促進していくと約束しました。
日本は、越日協力の枠組みにおける2020年に向けたベトナム工業化戦略及び2030年へのビジョンで選ばれた6つの産業の行動計画を実行に移す予定です。また、ベトナムでの日本の投資を増やし、国有事業の改善を援助する予定です。
双方はベトナムの農水産物の輸入手続きの簡易化、ベトナムの支援と自動車産業の発展についても承諾しました。
これに対し、ミン副首相は、ベトナム政府は日本によるODA資金は高い価値があり、効果的に利用していくと強調しました。
また、ベトナムの主要産業である石炭火力、鋼と化学肥料における公害をモニタリングするための技術的支援と関連産業発展に関する法律の設立を依頼しました。
農業、気候変動への対応、人材育成と労働についてのパートナーシップの強化に対する合意は別として、二国間クレジット制度の覚書と実習生の支援の協力の覚書へのサインに向けて、双方の大臣と政府機関による活発な交渉を高く評価しました。
日本側は政治的組織の改善プロジェクトの実施とすべての階級の中でも、特に重要なポストの人々の訓練の支援を約束しました。そして、農業、看護、建設業において、さらなるベトナム人実習生を受け入れたいとしました。
また両大臣は、双方からの不法労働者を受け入れないためにより協力していくことも約束しました。
双方は来年の外交関係樹立45周年に向けて文化、スポーツ、人材交流における関連を強化し、地域や関連施設の技術譲渡と投資の結びつきをさらに強めていくでしょう。
東アジア地域包括的経済連携のような国際経済関係についてパートナーシップを確立していく中で、地域及び世界の共通の問題に関して、東アジア首脳会議、ASEAN、アジア欧州会合、国連において相互支援を申し入れ、TPPの適正な解決法についても模索していくことを約束しました。
ベトナム外相は日本に、2020-2021年の国連安全保障理事会の非常任理事国と2017-2021年のユネスコ事務局長の立候補を後援するようお願いしました。
岸田外相は、日本は全面的にベトナムを支援し、2017年のAPEC開催を成功させるためにも、密接に関わっていくつもりだと話しました。
東海問題については、東海の発展に伴う国際社会の懸念を共有し、平和、安全、海上保安と航空の安全と自由の保証の重要性について合意しました。さらに、1982年に採択された国連海洋法条約と海上行動宣言(DOC)と行動規範を含む国際法に基づいて早期解決したい旨を伝えました。