ベトナムの労働力人口と失業率

ベトナムの人口は、2015年に9000万人を超えており、この人数はASEAN(東南アジア)地域では、インドネシア・フィリピンについで3位という人口規模となっています。男女比は女性が男性よりもやや多くなっています。
現時点では、まだ農村部の人口は都市部と比べて約2倍ありますが、ここ数年において農村部の人口は減少傾向にあり、都市部への流入が増えています。

15歳以上の就業可能な人口を労働働力人口というのですが、この労働力人口は2015年に約5400万人に到達し、世界では12位となっています。労働力人口は一貫して増加していますが、農村部では頭打ちの傾向が見られています。

就業者数に関しても労働力人口と同様に増加しています。都市部での男女比はそこまで変わらないものの、農村部になると男性が7割を超えております。ベトナムは共産圏の国であるものの、就業者のうち公務員や国営企業で働く就業者割合は約10%となっており、この数値は僅かではありますが年々減っています。逆に現在外資系企業で働く就業者の割合は約4%なのですが、こちらは年々増加傾向にあります。産業別では、近年、工業・建設業(22.8%)、サービス業(33.2%)が増加傾向にあります。反面、44%を占める農林水産業は近年減少傾向にあります。職業訓練学校や専門学校、大学以上を卒業した者は、全体の10%を超えたところで、増加傾向にあります。

ベトナムの年間失業者数は2015年で約115万人で失業率は2.33%です。男女差は大してありませんが、都市部と農村部の失業率の格差ははっきりとしています。都市部の方が農村部より約2倍となる高い水準にあります。年齢別では、25歳未満の若年労働者が約半数を占めています。また長期失業者数の割合は、全体の失業者数の15%弱となります。