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ベトナム就職〜求められる人材

ベトナムには多くの日系企業が進出しており、日系企業には日本からの駐在員や現地のベトナム人スタッフだけでなく、多くの現地採用人材の方も働いています。そんな現地採用人材の求められるタイプについてお話しします。

ベトナム就職で求められる業種は製造業が多く、続いてIT関連、サービス業、商社となります。数年前は、製造業に続いて物流が多かったのですが、最近はあまり聞かなくなってきました。

職種で多いのは、近隣の東南アジアしかりタイしかり営業職となります。製造業・サービス業・商社の求人は営業職が多いですが、製造業は技術者も求めています。
ベトナムの営業は、主に新規開拓営業がメインです。理由としては、タイと比べて進出企業が増えてきたのはここ数年だからです。製造業だけでなく、IT関連企業、サービス業、商社であっても同じです。現地採用にかかわらず日系企業のいく営業先は特殊なものを製造している会社でない限りは日系企業へ営業へいくため、日本語での商談だメインとなります。中には担当者がベトナム人のところがあるため、ベトナム語での商談になりますが、その時は通訳やアシスタントが同行するので語学に自信がなくても安心です。

求人件数は、日系企業が進出している数からハノイよりホーチミンの方が多いです。しかし、勤務先にこだわりがなければハノイとホーチミンどちらも視野に入れれ人が転職を成功させやすいと思います。

語学に関しては先述した通り、ベトナム語であれば必要ありません。しかし、英語は話せれば尚よしと言った印象です。大きな会社になりますと、社内で日本語が話せるのはごく一部です。なので社内コミュニケーションは英語かベトナム語になります。そのため、営業で必要ないとはいえ、コミュニケーション程度には話せるようにしておいた方が良いです。

年齢的には若い方が良いのですが、ワークパーミットの都合上、大学新卒は嫌われます。理由は、就労許可が降りないことがあるからです。許可が降りなければ不法労働者となり、普通の企業であれば、そんな社員を雇いたいとは思わないです。そのため、良いのは30歳前後ですね。ただキャリアアップを目指す場合は30代後半が良いです。

ベトナムの平均年齢は29歳前後。管理職経験が少ない人が多いため、現地採用の日本人にはベトナム人を管理することができれば非常に高く評価されるので、そういった人材も求められています。

ちなみに就労許可取得の条件は大学卒業以上で就労経験が3年以上あることが条件となっています。しかし、必ずしも取得条件を満たす必要はないのですが、就労経験がないと日系企業はあまり取りたがらないというのも事実です。

日本のメーカーにとってベトナムは重要な投資先

日本のメーカーはビジネスにおいて、東南アジアが最も重要な地域であるとしていますが、労働力不足と公害については懸念しているという調査結果をみずほ総合研究所が明らかにしました。
この調査は2月に行われ、対象は資本金1000万円以上の日本の製造業です。1121の企業から有効回答がありました。
市場成長と低コストから、ASEAN地域において、57.8%がタイに力を入れると回答し、ベトナムは50.2%、インドネシアが43.9%となっています。(複数回答)
調査ではこの3か国での投資に対する懸念も明らかになりました。
ベトナムについては、25%が水と空気の環境汚染問題について言及しており、さらに悪化すると見ています。
タイは21.4%がこの先2、3年は労働力不足が懸念されるとしています。
一方で、17.3%が管理職人材が減少するだろうと見ています。どちらも、「労働力供給は改善するだろう」との回答を上回りました。
多くの製造業は、中国に代わる低コストの地域を探しており、製造工場を東南アジアに構えています。これは「チャイナプラスワン」戦略として知られています。
しかし調査によって、日本企業が今後、中国に再度目を向ける可能性が明らかになっています。

現在の中国の工場の移転先の候補地は、21.1%が「中国のどこか(今よりも費用対効果が高い所)」と回答しています。
この数値は、以前の調査時の9.1%と比べると高く、中国の経済停滞を防ぐのではないかと見られています。
中国の回復は、労働力、環境問題などによって外国企業が撤退するのではないかという懸念を東南アジア諸国に与えています。

ベトナムの労働力人口と失業率

ベトナムの人口は、2015年に9000万人を超えており、この人数はASEAN(東南アジア)地域では、インドネシア・フィリピンについで3位という人口規模となっています。男女比は女性が男性よりもやや多くなっています。
現時点では、まだ農村部の人口は都市部と比べて約2倍ありますが、ここ数年において農村部の人口は減少傾向にあり、都市部への流入が増えています。

15歳以上の就業可能な人口を労働働力人口というのですが、この労働力人口は2015年に約5400万人に到達し、世界では12位となっています。労働力人口は一貫して増加していますが、農村部では頭打ちの傾向が見られています。

就業者数に関しても労働力人口と同様に増加しています。都市部での男女比はそこまで変わらないものの、農村部になると男性が7割を超えております。ベトナムは共産圏の国であるものの、就業者のうち公務員や国営企業で働く就業者割合は約10%となっており、この数値は僅かではありますが年々減っています。逆に現在外資系企業で働く就業者の割合は約4%なのですが、こちらは年々増加傾向にあります。産業別では、近年、工業・建設業(22.8%)、サービス業(33.2%)が増加傾向にあります。反面、44%を占める農林水産業は近年減少傾向にあります。職業訓練学校や専門学校、大学以上を卒業した者は、全体の10%を超えたところで、増加傾向にあります。

ベトナムの年間失業者数は2015年で約115万人で失業率は2.33%です。男女差は大してありませんが、都市部と農村部の失業率の格差ははっきりとしています。都市部の方が農村部より約2倍となる高い水準にあります。年齢別では、25歳未満の若年労働者が約半数を占めています。また長期失業者数の割合は、全体の失業者数の15%弱となります。