月別アーカイブ: 2017年5月

APEC SOM2がハノイで開幕

地域の様々な事案について議論する第2回APEC首脳会合と関連会合が昨日、ハノイで開幕しました。

具体的には、貿易と投資の自由化、ビジネスの円滑化、人材開発、教育、ネットワーク経済、食の安全、科学、技術と創造、鉱業、自動車製造業と都市化について議論します。

5月21日までの会議中、APECの代表者は長期的な協力プログラムの実施に向けてスピードアップすることと、主要地域での計画と大臣の承認が必要な書類のコンセンサスを得る予定です。これは11月にダナンで開催されるAPEC閣僚会議と、APEC首脳会議の基礎として位置付けられます。

2020年以降を見据えたAPECマルチステークホルダー会合, デジタル時代の人材育成に関するハイレベル政策対話、太平洋経済協力会議、財務高級実務者会合、第23回貿易担当大臣会合も開催されます。

会合初日は、鉱業、輸出、食の安全、経済における女性の役割、障害に関する会合とワークショップが開かれました。

女性の役割

初めに、女性と経済に関する政策パートナーシップ(PPWE)はグローバル経済における女性の役割について議論し、女性は21のAPEC経済の発展に対して莫大な貢献をしているということを参加者は聞きました。

ベトナム労働•傷病兵•社会省(MoLISA)のホアン・ティ・トゥー・フェン男女平等担当長官は開会挨拶で、APECメンバーの経済では約6億人の女性を雇用しており、60%以上がフォーマルセクターで働いています。そして890億米ドルほどをAPECに寄付しています。

フェン氏は2017年のPPWEの議長でもあり、APECエコノミーは女性が遭遇するであろう障壁を取り除くために動き、女性には、地域に貢献する気づかれてこなかったポテンシャルがあると言いました。

彼女はこのゴールはPPWEの努力とリーダーシップによって気付かされたものであると加えました。

会合はPPWEの2016年の結果の実情を知ることと、女性が直面している障壁を取り除くためのステップを提示することも目的にしています。

ドアン・マウ・ジエップMoLISA次官は、PPWEの過去10年間の経済界における女性の重要さを示す取り組みを評価しました。「PPWEは、官民の繋がりをより強くするため、さらにAPEC活動における女性の社会進出の主要な政策とプログラム作りに貢献しました。」と彼は言いました。

しかし、「APECの協力体制を、すべての女性にとってより有益なものにするためには、さらなる行動が必要です。すべての女性に保証します。社会的経済的成長に不必要な女性はいません。全ての女性がAPECエコノミーの発展に貢献することができるのです。」と語気を強めました。

輸出証明書

ワークショップはSOM2の枠組みの中で、輸出証明書とAPEC内の安全な食品の貿易の円滑化における役割について研究するために、昨日開催されました。

2日間のワークショップは、基準・適合性小委員会、食品安全協力フォーラム、パートナーシップ訓練機関ネットワークによって組織されました。

参加者は1日目、開発途上の基本的な評価とAPECエコノミー間の国際食品規格委員会食品輸出入検査•認証制度部会によって定められた証明による自己申告について議論しました。

さらに、輸出証明書に関するコミュニケーションとインフォメーションフローを改善するための革新的な選択肢を使うこと、APEC輸出認証書ツールボックスと可能なアップデートの提案を含む過去の成果についても議論しました。

輸出証明書の規制を考慮した際に便利なツールの情報と、規制慣行の活用、いつ輸出証明書を必要とするかを決めるためのコーデックスガイダンスの使用、要件を満たす方法、テクノロジーの適正な使用と不必要な証明書の削減について話し合われました。

障害者の権利への働きかけ

昨日のSOM2の枠組みの中にあった障害者の友の会(GoFD)の会合では、APECの代表者は障害者の権利への働きかけの取り組みについてシェアしました。

開催国として、ベトナムのドアン・マウ・ジエップMoLISA次官は、GoFDの過去数年にわたる会合の結果を称賛しました。この結果は、経済的発展における障害者の問題に対し、APECで解決策を作る基礎になると彼は話しました。

トランプ氏がAPEC参加のため11月ベトナムに訪問

これが国家レベルの公式訪問になるかは不明です。

ドナルド・トランプ大統領は、アジア外遊の一環として11月にベトナムを訪問し、3つの首脳会議に参加するつもりであると、マイク•ペンス副大統領が先週木曜日にジャカルタのASEAN本部で明らかにしました。

ロイター通信の報道によると、トランプ大統領はフィリピンで行われる米ASEAN首脳会議と東アジア首脳会議、ベトナムで行われるAPEC首脳会議に参加する意向であると、ペンス副大統領が明らかにしたようです。

ニュースワイヤは、ペンス副大統領の言葉として、トランプ陣営は保安問題、東海(南シナ海)の貿易と自由について議論する予定であるとしました。中国との火種の大半は南シナ海となっていて、ベトナムを含む東南アジア諸国とも重ねて議論する予定です。

これが公式訪問になるかどうかはまだ明らかにはなっていません。たとえトランプ氏がベトナムを訪問したとしても、「ベトナムの人々が、オバマ前大統領の訪問時のように盛り上がるかどうかはわかりません。」とワシントンD.C.の国防大学東南アジア研究機関のザカリー・アブザ氏は言いました。

アメリカのTPP早期離脱によって、トランプ氏はオバマ前大統領がサインした政策を実行できていません。オバマ前大統領は昨年5月にベトナムを3日間訪問し、熱狂的な歓迎を受けました。12か国が参加するTPPが発行されれば、世界のGDPの40%を占め、アメリカはその代表的な国の1つになるはずでした。

アメリカにとってベトナムは、東南アジア最大の輸出国で、トランプ大統領のTPP離脱はベトナム経済の停滞を招くとみられています。

昨年12月、トランプ氏はグエン・スアン・フック首相と電話で会談し、二国間の関係強化について話しました。さらに2月下旬、チャン・ダイ・クアン国家主席に対して手紙を送り、二国間協定締結への意欲を示しました。

トランプ大統領は選挙期間中、NATOなどの国際的組織を軽視する発言が目立ちました。しかし、今回のAPEC首脳会議への参加表明は必然だったようです。

「トランプ氏はAPECやASEANに対して何一つ言及したことがありませんでした。」と米戦略国際問題研究所のディレクターで東南アジア専門家のグレゴリー・ポーリング氏は、Vn Express Internationalに話しました。

「トランプ氏は大統領選中、拠出金負担の不平等さなどからNATOを批判していました。しかし、APECのようなセキュリティとは関係のない組織に対しては、一切言及していなかったのです。」とポーリング氏は発言しました。

「APEC21か国のリーダーと会う初めての機会であり、ビジネス面でこれらの国々を引き込むことができるかどうかが、この外遊で求められる最も重要な結果です。」と米戦略国際問題研究所の東南アジア専門家マレー・ハイバート氏は話しています。

「これはトランプ大統領にとって、アメリカが貿易面や投資面でいかに環太平洋地域を重要視しているかを示し、TPP離脱後の主導権を得るいい機会となるでしょう。」とハイバート氏は言いました。

アナリストによると、新陣営は東南アジアに対して全く注力してこなかったため、東南アジア地域はトランプ陣営に重要視されていないのではないかと懸念しているようです。

「フィリピンとハノイへの外遊は、これらの懸念を払拭する機会になるでしょう。」とポーリング氏は言いました。

ファム・ビン・ミン副首相が日本の首相と会談

安倍晋三総理大臣、大島理森衆議院議長、独立行政法人国際協力機構(JICA)北岡伸一理事長との階段で、ミン副首相兼外務大臣は、ベトナムと日本の戦略的パートナーシップの様々な分野での発展について、喜びをあらわにしました。

安倍首相は、アジア太平洋経済協力首脳会議へ招待されたことをうけ、チャン・ダイ・クアン国家主席に対し、感謝の意を述べました。そして、ダナンで行われる会議への準備を支援することを約束しました。

一方で大島議長は、ベトナムは日本にとって重要なパートナーであり、さらなる二国間の関係強化を望むと述べました。

JICAの北岡理事長は、ベトナムはJICAにとって最大のパートナーであり、ベトナムの経済発展に向けて最大限貢献することを誓いました。

ミン副首相は、ベトナム全土は常に、日本を長期的な戦略的パートナーであると考えており、二国間のさらなる関係強化へ向け準備ができていると断言しました。

日越協力委員会第9回会合及び日越外相会談で、両国外相は昨年1月に安倍首相が訪越した際の合意に対する具体的な措置と、グエン・スアン・フック首相の訪日の際のアジェンダについて話し合いました。

また、両外相は、両国首相による定期的な訪問をこれからも続けることにも同意しました。特に、来年の外交関係樹立45周年に向けて、協力関係を促進することにしています。

双方は6月に産業、貿易、エネルギー面での協力について話し合うVJCC会合についても開催を約束し、今年後半には日越農業協力対話第4回ハイレベル会合を実施することを確認しました。

経済協力では、日越共同イニシアティブ第6フェーズの実施のため、二国間の経済的つながりと協同を強化することで合意しました。

岸田外務大臣は政府開発援助(ODA)を通してベトナムの経済支援を続け、インフラ整備に向けたパートナーシップを促進していくと約束しました。

日本は、越日協力の枠組みにおける2020年に向けたベトナム工業化戦略及び2030年へのビジョンで選ばれた6つの産業の行動計画を実行に移す予定です。また、ベトナムでの日本の投資を増やし、国有事業の改善を援助する予定です。

双方はベトナムの農水産物の輸入手続きの簡易化、ベトナムの支援と自動車産業の発展についても承諾しました。

これに対し、ミン副首相は、ベトナム政府は日本によるODA資金は高い価値があり、効果的に利用していくと強調しました。

また、ベトナムの主要産業である石炭火力、鋼と化学肥料における公害をモニタリングするための技術的支援と関連産業発展に関する法律の設立を依頼しました。

農業、気候変動への対応、人材育成と労働についてのパートナーシップの強化に対する合意は別として、二国間クレジット制度の覚書と実習生の支援の協力の覚書へのサインに向けて、双方の大臣と政府機関による活発な交渉を高く評価しました。

日本側は政治的組織の改善プロジェクトの実施とすべての階級の中でも、特に重要なポストの人々の訓練の支援を約束しました。そして、農業、看護、建設業において、さらなるベトナム人実習生を受け入れたいとしました。

また両大臣は、双方からの不法労働者を受け入れないためにより協力していくことも約束しました。

双方は来年の外交関係樹立45周年に向けて文化、スポーツ、人材交流における関連を強化し、地域や関連施設の技術譲渡と投資の結びつきをさらに強めていくでしょう。

東アジア地域包括的経済連携のような国際経済関係についてパートナーシップを確立していく中で、地域及び世界の共通の問題に関して、東アジア首脳会議、ASEAN、アジア欧州会合、国連において相互支援を申し入れ、TPPの適正な解決法についても模索していくことを約束しました。

ベトナム外相は日本に、2020-2021年の国連安全保障理事会の非常任理事国と2017-2021年のユネスコ事務局長の立候補を後援するようお願いしました。

岸田外相は、日本は全面的にベトナムを支援し、2017年のAPEC開催を成功させるためにも、密接に関わっていくつもりだと話しました。

東海問題については、東海の発展に伴う国際社会の懸念を共有し、平和、安全、海上保安と航空の安全と自由の保証の重要性について合意しました。さらに、1982年に採択された国連海洋法条約と海上行動宣言(DOC)と行動規範を含む国際法に基づいて早期解決したい旨を伝えました。