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ベトナムはトランプのアジア政策のサイン1

トランプ陣営の突然のTPP離脱にも関わらず、ハノイはアメリカにとって経済の戦略的なパートナーであることと、長年のライバルである中国の覇権の影響力を調べる構えであることを、ワシントンに知ってほしいです。
マー・ア・ラゴでのトランプ氏と習氏の会談は、南シナ海の問題を取り上げることができず、スプラトリー島における中国軍の前哨部隊近辺での、アメリカの巡航操作の自由へ向けた話し合いは、太平洋の地平線に沈むかのように失敗しました。これらの地政学的な問題は、多くの戸惑いを残しました。きたるグエン・サン・フック首相のワシントン訪問は、アメリカとの協力強化とパートナーシップを深めるためのハノイの事前措置であり、ワシントンがアジアでの地位を奪うことを阻止するためです。

ベトナムの代表団は、APEC首脳会議に参加するためトランプが11月にベトナムに来ることについての何らかの言及を得ることを熱望しています。その一方で、ハノイの外交学会の人々は、トランプ大統領にとってベトナムは、優先度が低い国であると感じています。トランプ大統領の関心は中国と北朝鮮の核兵器の脅威に向けられているのです。
「彼らはトランプ陣営がTPPから離脱した後、どのように地域経済に関わる計画なのかを知りたいのです。そしてそれは、ベトナムにとって、大変利益のあることかもしれないのです。」とマレー・ハイバート上級顧問兼戦略国際研究所(CSIS)東南アジア課長は強調します。
4月末に出された大統領令では、トランプ氏は選挙戦のメッセージを「アメリカ製を買え、アメリカ人を雇え」に変更しました。自由な貿易がアメリカ人の仕事を奪っていると主張して以来、トランプ氏の愛国心は自由貿易協定を妨害しています。彼の過激な発言は、海外企業がアメリカ人労働者が低賃金で働かせられるのを防ごうとしているのです。
そういった背景から、トランプ氏は、アメリカに仕事と産業を戻すための公平な二国間貿易協定に向けて交渉するつもりでいます。この二国間貿易協定は相手国に落ち度があった場合に、アメリカが30日以内に協定を破棄することができるものです。
たまに、トランプ氏のメッセージは2016年の大統領選のプレイブックとして扱われます。彼の貿易に対する姿勢は、国際貿易協定がアメリカの雇用状況を悪化させているという、多くのアメリカ人の気持ちを反映しています。しかし、多くの消費者は、価格が安価であるということに気づいています。それでもトランプ氏の大統領令はアメリカ製のものを買うように求め、このルールを無視するものは切り捨てるように連邦機関に指示しています。
今、経済界は、トランプ陣営が現実離れしていると考えています。なぜなら、海外で作られた製品の多くは、アメリカでより安く売られています。そしてアメリカの企業も貿易協定の恩恵を受け、何兆ドルも海外で売り上げているのです。
共和党上院議員のジョン•マケインは、アメリカの離脱を「アメリカ経済とアジア太平洋地域における戦略的地位にとって不変な結果をもたらす深刻な間違いである」と評しています。彼はこの決断を、「アメリカの輸出を売り込むこと、貿易の壁の撤廃、新市場の獲得、アメリカの発明とイノベーションの機会の剥奪」であると言いました。
さらに、「中国にとってアメリカ人労働者の賃金を見直す新たな経済的ルールを作り出すきっかけにもなりうる」とも強調しました。
*アメリカのTPP離脱は他国との政治的、経済的空白を生むことになります。その空白は、中国が埋めたいと熱望しているのです。北京は、ワシントンからの明確なアジア太平洋政策がない中でも、機会を伺い、少し時間を無駄にしました。中国共産党の指導者は、グローバル化の取り組みを強化し、自由貿易の長所を擁護してきました。年頭のダボスでの世界経済フォーラムの演説で、習近平国家主席は保護貿易主義を「暗い部屋に自ら鍵をかけている」と例え、中国は地域貿易協定に向けて交渉していく姿勢を示しました。
戦争で鍛えられた国ベトナムは、近隣国を選ぶことはできませんが、友好国を選ぶことは確実にできます。かつて残虐で悲惨な歴史をもたらした執念深い敵だったワシントンとハノイは、南シナ海の争いにおける安全保障の協力を強化していくことで、戦略的な利益をますます共有していきます。

トランプ氏がAPEC参加のため11月ベトナムに訪問

これが国家レベルの公式訪問になるかは不明です。

ドナルド・トランプ大統領は、アジア外遊の一環として11月にベトナムを訪問し、3つの首脳会議に参加するつもりであると、マイク•ペンス副大統領が先週木曜日にジャカルタのASEAN本部で明らかにしました。

ロイター通信の報道によると、トランプ大統領はフィリピンで行われる米ASEAN首脳会議と東アジア首脳会議、ベトナムで行われるAPEC首脳会議に参加する意向であると、ペンス副大統領が明らかにしたようです。

ニュースワイヤは、ペンス副大統領の言葉として、トランプ陣営は保安問題、東海(南シナ海)の貿易と自由について議論する予定であるとしました。中国との火種の大半は南シナ海となっていて、ベトナムを含む東南アジア諸国とも重ねて議論する予定です。

これが公式訪問になるかどうかはまだ明らかにはなっていません。たとえトランプ氏がベトナムを訪問したとしても、「ベトナムの人々が、オバマ前大統領の訪問時のように盛り上がるかどうかはわかりません。」とワシントンD.C.の国防大学東南アジア研究機関のザカリー・アブザ氏は言いました。

アメリカのTPP早期離脱によって、トランプ氏はオバマ前大統領がサインした政策を実行できていません。オバマ前大統領は昨年5月にベトナムを3日間訪問し、熱狂的な歓迎を受けました。12か国が参加するTPPが発行されれば、世界のGDPの40%を占め、アメリカはその代表的な国の1つになるはずでした。

アメリカにとってベトナムは、東南アジア最大の輸出国で、トランプ大統領のTPP離脱はベトナム経済の停滞を招くとみられています。

昨年12月、トランプ氏はグエン・スアン・フック首相と電話で会談し、二国間の関係強化について話しました。さらに2月下旬、チャン・ダイ・クアン国家主席に対して手紙を送り、二国間協定締結への意欲を示しました。

トランプ大統領は選挙期間中、NATOなどの国際的組織を軽視する発言が目立ちました。しかし、今回のAPEC首脳会議への参加表明は必然だったようです。

「トランプ氏はAPECやASEANに対して何一つ言及したことがありませんでした。」と米戦略国際問題研究所のディレクターで東南アジア専門家のグレゴリー・ポーリング氏は、Vn Express Internationalに話しました。

「トランプ氏は大統領選中、拠出金負担の不平等さなどからNATOを批判していました。しかし、APECのようなセキュリティとは関係のない組織に対しては、一切言及していなかったのです。」とポーリング氏は発言しました。

「APEC21か国のリーダーと会う初めての機会であり、ビジネス面でこれらの国々を引き込むことができるかどうかが、この外遊で求められる最も重要な結果です。」と米戦略国際問題研究所の東南アジア専門家マレー・ハイバート氏は話しています。

「これはトランプ大統領にとって、アメリカが貿易面や投資面でいかに環太平洋地域を重要視しているかを示し、TPP離脱後の主導権を得るいい機会となるでしょう。」とハイバート氏は言いました。

アナリストによると、新陣営は東南アジアに対して全く注力してこなかったため、東南アジア地域はトランプ陣営に重要視されていないのではないかと懸念しているようです。

「フィリピンとハノイへの外遊は、これらの懸念を払拭する機会になるでしょう。」とポーリング氏は言いました。