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日本のメーカーにとってベトナムは重要な投資先

日本のメーカーはビジネスにおいて、東南アジアが最も重要な地域であるとしていますが、労働力不足と公害については懸念しているという調査結果をみずほ総合研究所が明らかにしました。
この調査は2月に行われ、対象は資本金1000万円以上の日本の製造業です。1121の企業から有効回答がありました。
市場成長と低コストから、ASEAN地域において、57.8%がタイに力を入れると回答し、ベトナムは50.2%、インドネシアが43.9%となっています。(複数回答)
調査ではこの3か国での投資に対する懸念も明らかになりました。
ベトナムについては、25%が水と空気の環境汚染問題について言及しており、さらに悪化すると見ています。
タイは21.4%がこの先2、3年は労働力不足が懸念されるとしています。
一方で、17.3%が管理職人材が減少するだろうと見ています。どちらも、「労働力供給は改善するだろう」との回答を上回りました。
多くの製造業は、中国に代わる低コストの地域を探しており、製造工場を東南アジアに構えています。これは「チャイナプラスワン」戦略として知られています。
しかし調査によって、日本企業が今後、中国に再度目を向ける可能性が明らかになっています。

現在の中国の工場の移転先の候補地は、21.1%が「中国のどこか(今よりも費用対効果が高い所)」と回答しています。
この数値は、以前の調査時の9.1%と比べると高く、中国の経済停滞を防ぐのではないかと見られています。
中国の回復は、労働力、環境問題などによって外国企業が撤退するのではないかという懸念を東南アジア諸国に与えています。

ベトナムの労働力人口と失業率

ベトナムの人口は、2015年に9000万人を超えており、この人数はASEAN(東南アジア)地域では、インドネシア・フィリピンについで3位という人口規模となっています。男女比は女性が男性よりもやや多くなっています。
現時点では、まだ農村部の人口は都市部と比べて約2倍ありますが、ここ数年において農村部の人口は減少傾向にあり、都市部への流入が増えています。

15歳以上の就業可能な人口を労働働力人口というのですが、この労働力人口は2015年に約5400万人に到達し、世界では12位となっています。労働力人口は一貫して増加していますが、農村部では頭打ちの傾向が見られています。

就業者数に関しても労働力人口と同様に増加しています。都市部での男女比はそこまで変わらないものの、農村部になると男性が7割を超えております。ベトナムは共産圏の国であるものの、就業者のうち公務員や国営企業で働く就業者割合は約10%となっており、この数値は僅かではありますが年々減っています。逆に現在外資系企業で働く就業者の割合は約4%なのですが、こちらは年々増加傾向にあります。産業別では、近年、工業・建設業(22.8%)、サービス業(33.2%)が増加傾向にあります。反面、44%を占める農林水産業は近年減少傾向にあります。職業訓練学校や専門学校、大学以上を卒業した者は、全体の10%を超えたところで、増加傾向にあります。

ベトナムの年間失業者数は2015年で約115万人で失業率は2.33%です。男女差は大してありませんが、都市部と農村部の失業率の格差ははっきりとしています。都市部の方が農村部より約2倍となる高い水準にあります。年齢別では、25歳未満の若年労働者が約半数を占めています。また長期失業者数の割合は、全体の失業者数の15%弱となります。

ベトナムの工業部門における労働力不足の原因

ベトナムにおける工業部門における労働力不足の原因は、ベトナム人労働者が農村部を離れ都市部に移動していることが原因の一つとして考えられる。工業部門すなわち工場や工業団地があるのは、農村部などの郊外にあります。そこの労働力人口が減少しているとなると必然と工業部門における労働力不足の原因に結びついているといえます。

工業部門における労働力不足の議論は今に始まったことではなく、1990年代から既に議論が行われています。この私の考え方が正しいとすれば、労働者の多くは都市部に新しい職場を求めて農村部を離れていたり、大学などの進学のために農村部を離れて都市部にいき、卒業をしても都市部で働き農村部に戻ってきていないということになります。

都市部で働きたいと考える理由の一つに賃金があります。農村部、工業団地内の工場であっても大半の労働者は工員として働くことになります。そうなると最低賃金を上回るとはいえ、生活が豊かになるほどの収入は得られません。そのため、賃金が高いとされる都市部の仕事を求めるのです。なので、労働力不足と言われていますが。賃金をあげない限りはまだまだこれらからも減り続けて行くと予想されます。