月別アーカイブ: 2017年6月

2017年のベトナムにおける個人投資の増加

調査に参加した78パーセントの人々が民間セクターとベトナムの経済に前向きな見通しがあると回答しました。これは昨年と比べると、23パーセント増加しています。

先月発表されたグラントソントン(※)の調査では、今年の未公開株への投資は経済において重要な影響を与え続けると予測されています。

調査に参加した海外企業のうちの72パーセントはベトナムで投資し続けると言っています。それは、ベトナムの豊富で優秀かつ低賃金の労働力と、中間層の消費の拡大のためです。

87パーセントが、2017年の投資活動の増加を期待するとする一方で、70%がこの先1年はセルサイドよりもバイサイドに注目するとしています。この数字は2016年から14%増加しています。

52パーセントが国有事業の株式化を期待しています。これは、政府が2020年まで事業を支援するための35/NQ-PCを発行後に最大の取引源となります。一方で、49%が外国の未公開株式資金提供に期待を寄せています。これは企業の買収・合併活動の競争源となります。98%がベトナムの未公開株セクターの牽引者を見つける機会になるだろうと信じています。

飲食産業、小売分野は、投資の魅力の点から、国の代表的な産業となっています。飲食産業では53%、小売分野では49%が「とても魅力的である」と回答しています。また人材確保の点からも確保しやすいと考えられているようです。

ヘルスケアと医薬品、運輸と物流については、38パーセントが「とても魅力的である」と回答しています。これは、「西洋のライフスタイルの影響と、可処分所得の増加」によるものであると報告されています。

オイル、ガスなどの自然資源については、37パーセントが「魅力的ではない」と回答しています。

投資家は、ビジネスにおける透明性とコーポレートガバナンスは、ベトナムで民間企業への投資を検討する際の大きな要因になると声を揃えます。

さらに、最大36パーセントの未公開株の投資家は、新規株式公開が最善の選択であると考えており、トレードセールは33%が2番目の選択肢としています。

しかし、最大で80パーセントが、2017年の経済について心配をしています。2016年の市場の不安定さと海外取引の混乱、特に中国の経済の低迷とTPP合意の結果によるものが原因です。

55パーセントの回答者は新規の資金集めには限界があり、困難であると主張しています。ベトナムの未公開株市場は新しい資金を調達する上で、おそらく困難に直面するでしょう。なぜなら、新しい資本流入の減少が、新規と小規模の資金の脅威となるからです。ベトナム国家銀行は貸付レートを一定にすることで、5%以下の目標金利によるインフレという困難に直面するでしょう。

調査はさらに、汚職、国家予算の制約、標準以下の管理規格、インフラの障害、中小企業の競争力の欠如が、ベトナムへの投資の障害になるとしています。87パーセントの回答者がこれに同意しており、加えて財政難と自然災害による農業と観光業への影響も懸念しています。

2016年、ベトナムのGDP成長率は6.21となりました。これは2015年同期の6.68と比べると、低くなっています。4年間で初めての後退であり、政府の2016年の会計年度の目標であった6.7%を達成できませんでした。

※グラントソントンベトナムは1993年に設立され、グラントソントン・インターナショナルの独立メンバー会社です。ベトナムで2番目の国際的な会計監査、課税、投資顧問業会社です。

ベトナムの工業部門における労働力不足の原因

ベトナムにおける工業部門における労働力不足の原因は、ベトナム人労働者が農村部を離れ都市部に移動していることが原因の一つとして考えられる。工業部門すなわち工場や工業団地があるのは、農村部などの郊外にあります。そこの労働力人口が減少しているとなると必然と工業部門における労働力不足の原因に結びついているといえます。

工業部門における労働力不足の議論は今に始まったことではなく、1990年代から既に議論が行われています。この私の考え方が正しいとすれば、労働者の多くは都市部に新しい職場を求めて農村部を離れていたり、大学などの進学のために農村部を離れて都市部にいき、卒業をしても都市部で働き農村部に戻ってきていないということになります。

都市部で働きたいと考える理由の一つに賃金があります。農村部、工業団地内の工場であっても大半の労働者は工員として働くことになります。そうなると最低賃金を上回るとはいえ、生活が豊かになるほどの収入は得られません。そのため、賃金が高いとされる都市部の仕事を求めるのです。なので、労働力不足と言われていますが。賃金をあげない限りはまだまだこれらからも減り続けて行くと予想されます。

TPP発効が不明確にも関わらず、工場用地は拡大

アメリカのTPP離脱により、今後の先行きが不透明にも関わらず、今年に入ってからベトナムの工場用地は拡大の一途をたどっています。

不動産コンサルタントのクッシュマン・アンド・ウェイクフィールドベトナムによると、4,700ヘクタール以上の工場用地が2017年に入ってから開発されました。これは、昨年同時期と比べて7%上昇いています。

不動産コンサルタントのアレックス・クレーン取締役は、ベトナムは投資する価値のある地域であると強調しました。「TPPの動向は関係なしに、工業部門への投資は上向きになるだろう」と述べています。

クレーン氏は統計を基に、ベトナムに対する第1四半期の直接投資(FDI)は77億米ドルとなり、その85%が製造業に費やされていると分析しました。

加えて彼は、新しい企業の増加や景気の上昇は、工場用地市場において好影響となるだろうと言いました。

ベトナムは現在、4つの自由貿易協定(FTA)を交渉中です。これはベトナムへの投資流入を増加させ、工場用地部門は確実に利益を上げることができると期待されています。

しかし、投資を促進するためには、工場区域のインフラ整備と行政改革を早急にしなければならないのです。

SbLawのグエン・ハン・ハ社長は、デベロッパーは、適正なインフラとリーズナブルな価格で借地契約をして、工場区域を建設するべきだとしています。そして政府は、部品産業の発展に注力し、交通機関の発達を寄与するべきだとしています。

2016年終わりには、91,800ヘクタールの用地に、16の経済地域と2つのハイテク区域、324の工業区域がありました。

国家副主席、モンゴルと日本訪問に向け出発

ダン・ティ・ゴック・ティン国家副主席はモンゴルの公式訪問に向け、昨日ハノイを発ちました。5月7日から10日までモンゴルに滞在し、二国間の経済、労働、教育、文化、観光の結びつき強化に向けて議論する予定です。

ティン国家副主席はモンゴルの首相と会談し、二国間の協力合意の署名に立ち会い、モンゴルの大統領と議長にも面会する予定です。

モンゴルの副大統領もベトナムとモンゴルのビジネス交流に参加し、高校の管理委員会と生徒を受け入れる予定です。

その後、5月10日から16日まで、2017世界女性サミット(GWS)(※)に参加するため、日本を訪れます。

この外遊では、日本との関係強化を目的としています。特に、経済、労働、農業分野について福岡県との関係促進を図り、二国間の地域的な協力関係を築くことで、日本のベトナムでの投資促進へ繋げたいのです。

また、天皇陛下と皇后陛下、皇太子殿下、参議院議長、日越友好議員連盟会長、女性活躍担当大臣に面会する予定です。他には東京と福岡で行われるベトナムと日本のビジネス交流に出席し、福岡ではベトナム人学生らと面会する予定です。

5月11日から15日に開催されるGWSは「ウーマノミクスを超えて:アクセシビリティを加速させる」をテーマに、女性管理職登用、女性労働者の進出、女性経営者の増加、世界経済における女性活躍推進、テクノロジー産業での女性登用、女性のための支援政策の促進について議論が行われます。

様々な分野で日本との結びつきが強い、50名ほどのベトナム人女性起業家が出席する予定です。

※世界女性サミット(GWS)は、世界62カ国1300人の経済界や政界を代表する女性リーダーが一堂に会するイベントです。このサミットでは世界のいろいろな場所で活躍する女性について語られることが多いです。